小径の電動アシスト自転車の特徴とメリット・デメリット
電動アシスト自転車で人気ジャンルの一つが小径車。その特徴とメリット・デメリットを解説し、選び方をガイドします。
公開日: 2024.10.18
自転車の「小径車」とは?どんな自転車?
自転車の「小径車」とは、自転車の車輪(タイヤ・ホイール)が一般的な自転車よりも小さい自転車です。
一般的なシティサイクルは26インチの車輪を、ロードバイクやMTBなどではさらに大きい28インチや29インチの車輪を採用していますが、小径車では、14〜20インチの車輪を採用しています。
タイヤの直径が小さいので、見た目だけで小径車とわかります。
電動アシスト自転車の「小径車」を選ぶメリット
車体が安定する
車輪が小さいと、自転車全体の車高を低くすることができます。当然その上に座る人間の高さも低くなるため、全体的に重心が低くなります。
自転車は2輪なので左右のバランスを常にとらなくてはなりません。重心が下にあると左右のバランスは安定します(立った状態で腰を落とすると安定するのと同じ)。逆に、車高が高くなると重心が高くなって不安定になります。
子供乗せ電動アシスト自転車の多くが20インチの小径車輪を採用するのは、前後に子供を乗せた状態で重心が高くなると、左右に倒れてしまうリスクがあるからです。
小回りが効く
普段あまり意識しないですが、自転車は車輪が小さいほど小回りが効きます。大きい車輪のショベルカーが、軽自動車よりも大回りで曲がるのをイメージするとわかりやすいでしょう。
小回りが効くと、ちょっとした障害物を避けやすくなりますし、重心の移動が小さくなるので、運転が安定します。
車体がやや軽くなる
自転車の構成するパーツの中でも、車輪は全体の20%ほどを占めるパーツです。
車輪の重量はタイヤとホイールで決まりますが、車輪の直径が大きくなると、その分素材の面積が増えるので重量が重くなります。
車体が軽くなると、運転する際に楽に漕げるだけでなく、アシストをする際の電力の消費を抑えることができます。
電動アシスト自転車の「小径車」を選ぶデメリット
段差を乗り越えにくくなる
小径車の最大のデメリットは段差を乗り越えにくくなる点です。
段差を乗り越える時は、車輪の半径が大きいほどタイヤと段差がぶつかる角度が緩くなるため、楽に乗り越えることができます。逆に車輪の半径が小さくなると、段差を乗り越えにくく無なります。道路の縁石を乗り越える際、キックボードなどの小さい車輪だと乗り越えることができないのをイメージするとわかりやすいでしょう。
街乗りくらいでは段差を乗り越えるのに困ることは少ないですが、突っかかる感じになるため運転の際に注意が必要です。
速度が出しにくい
小径車は、タイヤを一回転させた時に進む距離が、大きい車輪の自転車よりも短くなります。ということは、同じ距離を進むにも、26インチなどの車輪の大きい自転車よりも多くペダルを回転させる必要があるということです。
同じペダルの回転数であれば、車輪が大きい方が距離が進むため、シティサイクルなどよりも速度を出しにくい、厳密に速度を出すためにたくさんペダルを回す必要があるということです。
バッテリーの減りが早くなる可能性がある
小径車は同じ距離を進むのにペダルを多く回転させる必要があります。ということは電動アシストユニットがアシストする回数が増えるということです。
電動アシスト自転車のバッテリー消費は、「アシストしたパワー x 回数」で決まります。車重が軽い小径車は、アシストするパワーを小さくできますが、回数が大きい自転車よりも多いため、バッテリーの減りが早くなる可能性があります。
小径車・電動アシスト自転車は「メリット」を優先して選ぼう
小径車・電動アシスト自転車はデメリットも多くありますが、電動アシストの力である程度カバーできるように設計されています。
ですので、小径車・電動アシスト自転車のメリットが、自分の目的やライフスタイルに合っていると思ったら、デメリットで悩むよりもメリットを優先させて選んで良いでしょう。
逆に、メリットの部分を良いと思わないのであれば、シティサイクルタイプやクロスバイクタイプのeバイクなどを選んだ方が、快適に乗れるでしょう。