Eバイク・電動アシスト自転車の「回生ブレーキ」って何?
電動アシスト自転車の「回生ブレーキ」とは何か?「回生ブレーキ」の仕組みやメリット、「回生ブレーキ」の使い分けなどをまとめました。
公開日: 2021.2.22
「回生ブレーキ」は止まる抵抗で充電するブレーキ
自転車で走行すると写真が回転します。回転する力があれば電気を生み出すことができます。理科の実験でやったのと同じです。「回生ブレーキ」はこの仕組みを利用して「走行中に電動アシスト自転車のバッテリーを充電するブレーキ」のことを指します。
かつては、自転車のフロントライトというとタイヤにライトの充電軸を擦り付けるタイプの「ダイナモ充電ライト」が一般でした。昭和世代の方なら馴染み深いでしょう。仕組みとしてはあれと同じです。
「回生ブレーキ」は下り坂で充電する
電動アシスト自転車は平坦な道や上り坂でアシストするのがメインですので、「回生ブレーキ」は主に下り坂でバッテリーを充電します(一部平地充電モードがあるモデルもあり)。下り坂は電動でアシストする必要がない上に、車重の重い電動アシスト自転車は重力と慣性の力で大きな推進力を生むるので、下り坂でのホイールの回転力をそのまま充電に使うという仕組みです。
ただし、下り坂でのホイールの回転力をそのまま全て充電に使ってしまうと推進力がなくなって止まってしまうので、「あくまで下り坂の一部のエネルギーを充電に使う」という程度です。ですので、「回生ブレーキ」を搭載した電動アシスト自転車だからといって、ペダルを踏むのが重いということはありません。
「回生ブレーキ」の充電のタイミングと使い分け
「回生ブレーキ」が充電するタイミングは、
- ブレーキを握っている時(ブレーキが充電スイッチになる)
- オートマチック(全自動)
の二つが主な方法です。
メーカーによってモードの種類や切り替えが異なります。また、充電の発生条件もメーカー、モデルによって異なるので、購入する前に自転車屋さんに確認しておきましょう。
使い分けとしては、基本的にはオートマチックにしておいて、長い下り坂に入ったら確実に充電されるようにブレーキ充電モードに切り替えるのが良いでしょう。特に急な下り坂の場合、「回生ブレーキ」が抵抗になってくれるのでブレーキを握る力が弱くてもしっかりブレーキが効いてくれます。
ただし、各社バッテリーの残り容量が90%未満でないと「回生ブレーキ」が発動しないなど細かい条件があるので、慣れるまでは基本的にオートマチックにしておくのがオススメです。
「回生ブレーキ」搭載車はエコ?
電動アシスト自転車は電気をエネルギーにモーターを動作させるため、どうしても電力が必要です。その意味では、走行時の推進力でバッテリーを充電してくれる「回生ブレーキ」はエコな機能といえます。
しかし、電動アシスト自転車の1kmあたりの電気代は0.6円程度なので、電気代という観点では「回生ブレーキ」搭載するコストを回収するためには相当走りこまないと難しいでしょう。
「回生ブレーキ」搭載車の最大のメリットは「アシスト走行距離」
では、「回生ブレーキ」搭載車に何のメリットがあるのかというと、それは電動アシスト出来る走行距離の長さです。
例えば、eロードやeMTBなどの長距離走る・急な坂を登ることを前提としているスポーツ自転車の場合、長い距離・長い時間アシストしてくれるのが大事です。
「回生ブレーキ」搭載車であれば、「バッテリーの減りを遅らせてくれる」ので、結果的に長い距離・長い時間電動アシストすることが可能になります。
一方で、一般向けの電動アシスト自転車でも「充電回数を減らすことが出来る」というメリットがあります。バッテリー容量や走る道・走り方によってどれくらい寿命が伸びるかは変わってきますが、週1回バッテリー充電をしていたところが10日1回、月に3回になるだけでもだいぶ運用が楽になります。
Eバイク・電動アシスト自転車の「回生ブレーキ」について解説してきました。
アイデアとしては新しいものではないですが、Eバイク・電動アシスト自転車の「回生ブレーキ」はまだまだ搭載され始めたばかりの新しい技術です。
これから充電効率やパーツの軽量化など進化をしてどんどん便利になっていくと思われるので、Eバイク・電動アシスト自転車を選ぶ際は「回生ブレーキ」にも注目してみてください。